ACCEL Project

身体性メディア

そのメディアが媒介する環境(コンピュータが生成した情報環境や離れた実環境など)において、使用者の代理身体が存在し、その身体を自分の身体として、その環境で行動することを可能とするメディアのこと。バーチャルリアリティやテレイグジスタンスは、代表的な身体性メディアである。

身体性メディアプロジェクト

JST(日本科学技術振興機構)のACCELのプロジェクト「触原色に立脚した身体性メディア技術の基盤構築と応用展開」の略称。
http://www.jst.go.jp/kisoken/accel/research_project/ongoing/h26_05.html

 

身体性メディアプロジェクトでは、触原色原理に基づき小型・一体型の触覚伝送モジュールを開発し産業界や一般のユーザーに広く提供することで、触覚を持つ身体的経験の記録、伝送、再生に基づく製品やサービスの早期創出を推進する。放送分野やエンターテインメント分野での実用化を志向した「身体性コンテンツプラットフォーム」、およびロボットを用いた遠隔就労という新しい産業の可能性を示す「身体性テレイグジスタンスプラットフォーム」の2つの実証システムを構築し、社会的・経済的インパクトを与えるイノベーションの実現を目指している。

 

研究代表者:舘 暲、PM:野村淳二、PM補佐:南澤孝太

身体性メディアプロジェクトの成果の概要と今後の展望

プロジェクトの成果の概要と身体性メディアのこれからの展望を冊子に纏めています。
・Web版:こちらから
・PDF版:こちらからダウンロードできます。 [PDF:42.8MB]

プロジェクトの成果の一部を、2019年10月25日(金)開催の第4回ACCELシンポジウムにて発表しました。

>YouTubeリンク

 

 

 

プロジェクト成果の概要

本構想の目標は,CREST「さわれる人間調和型情報環境の構築と活用」(H21-H26年度)において得られた研究成果である,触覚情報の計測・伝送・編集・提示,および3D映像やテレイグジスタンス技術との統合による身体的経験の伝送に関する知見を「身体性メディア」として実用化し,新産業の創出に向けて展開することです.

一体型触覚伝送モジュールを中核としたハードウェア,ソフトウェアおよび通信伝送の基盤的技術を開発することにより,触覚を視覚・聴覚に並ぶ情報メディアとして扱えるレベルまで引き上げ,ウェアラブル/モバイル,放送/スポーツ/エンタテインメント,医療/ヘルスケア,テレイグジスタンスの各分野において,身体性を有する能動的な体験の記録・伝送・再生を実現します.

 

STEP 1: 一体型触覚伝送モジュール

研究代表者らが提案する触原色原理の概念に基づき,「振動」「力」「温度」の各要素に対応するセンサとアクチュエータを開発.

多様な触感覚に対応した刺激提示アルゴリズムと統合し,単原触・二原触・三原触の一体型触覚伝送モジュールを構築.

三原触計測モジュール 単原触・二原触・三原触提示モジュール 二原触提示モジュールを搭載した Haptic® Trigger Plus
三原触計測モジュール 単原触・二原触・三原触提示モジュール 二原触提示モジュールを搭載した
Haptic® Trigger Plus

 

STEP 2: ウェアラブル触覚インタフェースの開発

触原色原理に基づく触覚伝送の価値を具体的に体感可能なプロダクトとして,一体型触覚伝送モジュールを搭載した,グローブ型および全身スーツ型の触覚インタフェースを開発.

柔軟な大面積触感伝送を可能とする二次元通信ウェアも実現.

三原触計測・提示グローブ 二次元通信ウェア Synesthesia Suit
三原触計測・提示グローブ 二次元通信ウェア Synesthesia Suit

 

STEP 3: コミュニティ創出と産学共創

身体性メディア技術に基づく産業創出を目指して,産学共創のコンソーシアムを設立し,2018年現在約50社が参画.

SDKやtoolkitの提供,ユーザコミュニティ向けのハッカソンイベントや,身体性メディアによる新たなデザイン領域での人材育成を目指す HAPTIC DESIGN PROJECT を推進.

テレイグジスタンス toolkit HAPTIC DESIGN ワークショップ HAPTIC DESIGN AWARD 2017 入賞作品
テレイグジスタンス toolkit HAPTIC DESIGN ワークショップ HAPTIC DESIGN AWARD 2017 入賞作品

 

STEP 4: 実証プラットフォームの構築と社会展開

PoCとして身体性コンテンツプラットフォームを構築し,VRエンタテインメント,スポーツ放送などへ社会展開.

さらに身体性テレイグジスタンスプラットフォームの技術成果を元に,スピンアウトベンチャーとしてTelexistence株式会社を設立し新事業を創出.

POC-1: 身体性コンテンツプラットフォーム POC-2: 身体性テレイグジスタンスプラットフォーム
POC-1: 身体性コンテンツプラットフォーム POC-2: 身体性テレイグジスタンスプラットフォーム

 

Rez infinite Synesthesia Suit (Enhance社, Rhizomatiks社との共創) 触覚を有する次世代ライブビューイング (富士通社,YAMAHA社との共創) テレイグジスタンスによる高齢者の結婚式への参加 (Ducklings社, FOVE社との共創)
Rez infinite Synesthesia Suit
(Enhance社, Rhizomatiks社との共創)
触覚を有する次世代ライブビューイング
(富士通社,YAMAHA社との共創)
テレイグジスタンスによる高齢者の結婚式への参加
(Ducklings社, FOVE社との共創)

 

身体性テレイグジスタンスプラットフォーム TELESAR V Telexistence株式会社による 量産型プロトタイプ Model H TELESAR VI (2019)
身体性テレイグジスタンスプラットフォーム
TELESAR V
Telexistence株式会社による
量産型プロトタイプ Model H
身体性テレイグジスタンスプラットフォーム
TELESAR VI